
衣がはがれない理由|卵液に油を混ぜるとパン粉が密着する科学
フライで衣がはがれる…その原因の多くは「卵液の性質」。プロの視点で、卵液+油がなぜパン粉をしっかり密着させるのかを、やさしく理論で解説します。
なぜ「卵液+油」で衣が変わるのか?結論
- 粘度アップ:卵液に油が加わると軽く乳化してとろみが増し、粉粒と食材表面をなめらかにコート。
- 表面張力ダウン:薄く均一に伸び、ムラ・ダマを防止。パン粉が均一に密着。
- 熱伝導の緩和:油膜が熱のクッションとなり、急膨張=衣浮き(はがれ)のリスクを低減。
この3作用で、「揚げてもはがれにくい、しっとり密着する衣」になります。
理論で理解:卵液に油を混ぜると起きる3つの変化
① 粘度(とろみ)が上がり、ノリのような薄膜を作る
油が加わると卵黄由来のレシチン等が働き、軽い乳化が起こります。これにより卵液の粘度が上がり、小麦粉→卵液→パン粉の各層が途切れにくくなります。
② 表面張力が下がり、均一に広がる
水主体の卵液は表面張力が高く、食材表面に水玉状のムラが出がち。油が入ると表面張力が下がり、薄く均一に広がって密着性が向上します。
③ 熱の伝わり方が穏やかになり、衣が浮きにくい
衣層に油分があると熱が“やわらかく”伝わり、内部の水分蒸発が穏やかに。急膨張→隙間発生→はがれの連鎖を抑えます。
プロの配合バランス(目安)
- 卵液:全卵 1個
- 油:大さじ1〜2(オリーブオイルなど。入れすぎ注意)
- 牛乳:小さじ1〜2(任意。のびを良くして均一化)
食材は水気を拭き取ってから薄力粉→卵液(+油)→パン粉の順。パン粉付け後は1〜3分静置して落ち着かせると、より安定します。
効果が高いシーンとコツ
- 水分の多い食材:サーモン、白身魚、野菜フライで顕著に効果。
- パン粉:細目〜生パン粉。強く押し付けず、面で優しく密着。
- 揚げ温度:衣が固まるまで触りすぎない(目安:170〜180℃)。
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