「鉄フライパンって難しそう…」「テフロンでいいんじゃないの?」
そう思っている方に、はっきりお伝えします。プロの厨房にテフロンフライパンはほぼありません。フレンチレストランで使われているのは、ほぼ例外なく鉄のフライパンです。
私が厨房の仕事を始めた頃から愛用しているのが、デバイヤー ミネラルビーです。10年以上使い続けて、今もメインのフライパンとして現役です。鉄フライパンの「難しさ」の正体は、実は「知らないだけ」にすぎません。今日はプロが選ぶ理由と、家庭での正しい使い方を包み隠さずお伝えします。
結論:プロが選ぶのはデバイヤー、家庭ならリバーライト極も優秀
先に結論を出します。
- 本格的な鉄フライパンを育てたい・フレンチに使いたい → デバイヤー ミネラルビー
- 鉄フライパン初心者・錆びにくさを重視 → リバーライト 極JAPAN
比較表:デバイヤー vs リバーライト 極
| 比較項目 | デバイヤー ミネラルビー | リバーライト 極JAPAN |
|---|---|---|
| 原産国 | フランス | 日本 |
| 素材 | 炭素鋼(スチール) | 窒化鉄(鉄+窒化処理) |
| 錆びにくさ | △(正しく管理すれば問題なし) | ◎(窒化処理で錆びにくい) |
| 最初のシーズニング | 必要 | 不要(すぐ使える) |
| 育てる楽しみ | ★★★★★ | ★★★☆☆ |
| プロ厨房での使用 | ★★★★★(世界標準) | ★★★☆☆ |
| 価格帯(26cm目安) | 約8,000〜12,000円 | 約7,000〜9,000円 |
| IH対応 | ◎ | ◎ |
| 向いている料理 | ポワレ・ソテー・ステーキ | 炒め物・焼き物全般 |
なぜプロは鉄フライパンを使うのか
テフロンと鉄の最大の違いは「蓄熱性と直火力」です。
テフロンフライパンは温度が均一に広がりやすい反面、食材を入れると一気に温度が下がります。特に肉を焼くとき、この温度低下が「美しい焼き色がつかない」原因になります。
鉄フライパンはしっかり予熱することで高温を蓄え、食材を入れても温度が保たれます。この「温度を保つ力」がメイラード反応(香ばしい焼き色)を生み出し、素材の旨みを閉じ込める鍵になります。
フランスでポワレ(poêler)と呼ばれる「フライパンで焼く技法」は、この高温を維持できる鉄フライパンがあって初めて本来の仕上がりになります。プロが鉄を手放せない理由は、ここにあります。
デバイヤー ミネラルビーの実力
世界のプロ御用達、フランス生まれの炭素鋼フライパン
デバイヤー(deBUYER)は1830年創業のフランスのメーカー。ミシュランの星付きレストランから屋台まで、世界中のプロが愛用するブランドです。
ミネラルビーの特徴は、素材が「炭素鋼(スチール)」であること。鋳鉄より薄く軽いため、熱の伝わりが素早く、フライパンをあおる動作もしやすい。フレンチの「ソテー」「ポワレ」「フランベ」の三大技法が、このフライパンで格段にやりやすくなります。
私が初めてミネラルビーを使ったのはフランスの料理学校でした。それまでテフロンしか知らなかった私が、初めて「フライパンで肉がここまで美しく焼けるのか」と驚いた瞬間を今でも覚えています。
ミネラルビーが特に輝く料理
- 魚のポワレ(皮目をパリッと、身をふっくら)
- 牛・鶏・豚のソテー(美しい焼き色)
- ステーキのポワレ
- オムレツ(フレンチスタイル)
- 野菜のソテー(水分を飛ばしながら香ばしく)
- フランベ(直火で炎を上げる技法)
正直なデメリット
最初のシーズニング(油ならし)が必要なこと、使用後に水気を残すと錆びること。この2点が鉄フライパン全般の弱点ですが、「使ったら火にかけて乾かす」という習慣を一度つければ、あとは何も難しくありません。詳しくは後述します。
リバーライト 極JAPANの実力
「錆びにくい鉄フライパン」を実現した日本製の傑作
リバーライトの極シリーズは、鉄の表面に特殊な「窒化処理」を施すことで、従来の鉄フライパンの最大の弱点だった「錆び」を大幅に抑えることに成功しました。
「鉄フライパンは難しそう」という方にとって、最初の1本として非常に入りやすい選択肢です。購入してすぐ使えて、少しくらい濡れたまま放置しても錆びません。
リバーライトが向いている人
- 鉄フライパン初心者で、まず試してみたい
- お手入れに手間をかけたくない
- 炒め物・焼き物を手軽にアップグレードしたい
- デバイヤーより少し安く始めたい
フレンチシェフ目線でのリバーライトの評価
正直に言います。リバーライトは非常に優秀な日本製フライパンですが、フレンチのポワレやソテーに特化した設計ではありません。窒化処理によって表面が少し滑らかになるため、「焦げ付かせながら焼き色をつける」というプロの技法との相性は、デバイヤーほどではありません。
一方、炒め物や日常の焼き物には十分すぎる実力があります。コスパも良く、「まず鉄フライパンの良さを体験してみたい」という入門には最適です。
鉄フライパンの正しい使い方・育て方【プロが教える3ステップ】
「育てる」という感覚を持てば、鉄フライパンは難しくありません。むしろ、使えば使うほど油がなじんで焦げ付きにくくなる「エイジング」の楽しさがあります。
ステップ① 最初のシーズニング(デバイヤーの場合)
- フライパンをよく洗い、表面の保護コーティングを落とす(デバイヤーは蜜蝋でコーティングされている)
- 火にかけて完全に乾かす
- 強火で空焼きし、うっすら煙が出るまで加熱
- 火を止めて、油を多めに入れて全体になじませる(くず野菜を炒めると効果的)
- 余分な油を拭き取って完成
ステップ② 毎回の使い方
- 「しっかり予熱」が最重要:フライパンを中火〜強火で2〜3分予熱してから食材を入れる
- 煙が少し出るくらいまで熱したら油を少量引く
- 食材を入れてから、最初の30秒〜1分は触らない(ここが焼き色のカギ)
ステップ③ 使用後のお手入れ
- 熱いうちにお湯とたわしで洗う(洗剤は使わない)
- 必ず火にかけて完全に乾かす(これが錆び防止の唯一のコツ)
- 薄く油を塗って保管する
「洗剤を使わない」「必ず火で乾かす」この2つだけ守れば、鉄フライパンのお手入れは難しくありません。
📌 この記事で紹介した鉄フライパンはこちら
デバイヤー ミネラルビー 24cm — 1〜2人分のポワレ・ソテーに最適。プロの厨房で世界標準のフランス製鉄フライパン。魚・肉を本格的に焼きたい方に。
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デバイヤー ミネラルビー 26cm — メインフライパンとして使うなら26cmが万能。2〜3人分の料理をこなす最もバランスの良いサイズ。
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リバーライト 極JAPAN 26cm — 窒化処理で錆びにくい日本製。鉄フライパン初心者にも扱いやすく、購入後すぐ使える。IH対応。
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リバーライト 極 厚板フライパン 26cm — 通常モデルより厚みがあり、蓄熱性が高い。ステーキや分厚い肉をじっくり焼きたい方、火力にこだわる方に。
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まとめ:鉄フライパンは「一生もの」の料理道具
今日お伝えしたことを整理します。
- プロが鉄を選ぶ理由は「蓄熱性」と「焼き色の美しさ」
- フレンチ料理・本格ポワレを目指すなら → デバイヤー ミネラルビー
- 初心者・錆びにくさ重視 → リバーライト 極JAPAN
- お手入れのコツは「火にかけて乾かす」の1点だけ
テフロンフライパンはいつか傷んで買い替えが必要ですが、鉄フライパンは正しく使えば一生ものです。「道具が育つ」という感覚は、料理を続けるモチベーションにもなります。ぜひ一本、手に入れてみてください。
私のYouTubeチャンネル「French Kitchen」では、鉄フライパンを使った魚のポワレや肉のソテーの実演動画を公開しています。「予熱のタイミング」「食材を入れるタイミング」など、文章では伝わりにくい部分を映像でわかりやすくお届けしています。
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